基礎力のつく死活 ~厳選200題を反復練習~ (囲碁人文庫シリーズ)

「ひと目の詰碁」シリーズ第3巻（「ひと目の詰碁レベルアップ編」）に繰り返して取り組んで解答も覚えてしまったので後継本を探していたところ本書に出会いました。マイナビブックスのHPでは、初中級用と紹介していますが、取り組んだ感想としては、「ひと目～」より一段階難しくなっています。具体的には、「ひと目～」で使っているような手筋を使う前に1手かける必要のある問題があったり、第1手目の候補となる着手点が多く、１つ１つ読んでいくのが大変な問題があったりします。また、手数についても、本書の正解図に記載されている手数はそれほど長くないのですが、正解図自身が「ひと目～」と比べ簡素なもの（「ひと目～」の正解図に白黒1手ずつ抜いたようなようなもの）もいくつかあるため、全体としてみれば「ひと目～」より手数が長いという印象を受けます。ただ、すべてが難しいわけではなく、「ひと目～」に繰り返し取り組んだ後に本書に初めて取り組んだとき、7割はなんとか自力で解けました。「ひと目～」とかぶっている出題もあります。なお、些細なことですが、本書は厳密な意味で言う詰碁本ではないため、正解が複数ある問題もあります。そこはあまり神経質にならずに「生きればよい」「殺せばよい」「コウにすればよい」の感覚で取り組めばよいのではないかと思います。また、死活本（読みを鍛える目的ではなく、死活の形と手筋を覚える目的の本）として申し上げれば、本書は、「たくさんの（死活の）形を見て、理屈ではなく、「目で解ける」ように」（本書はしがきより抜粋）死活の手筋を身につける効果があると思います。一方、基本死活の形と手順を暗記してしまおうという方には不向きで、「新早分かり死活小事典」や「基本死活事典」の方がよろしいかと思います。